大阪明浄大学観光学部
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UPDATED: 17 February, 2004
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関西大学文学部(フレックス・コース)2004年度 美学・藝術学概論 a,b

ヨーロッパ藝術と美学思想の歴史

【講義概要】
 人間は美というものをどのように考えてきたのか。また、藝術作品というものはどのように生み出されてきたのか。本講義ではこの問題を、古代ギリシアとキリスト教という西洋世界を形成する2つの文化的支柱を基にして、美学史・哲学史の視点から考察する。なおその際、作品を通した具体的な考察を重視していくために、講義中では主として音楽作品の実例を数多く使用し、また可能な限り文藝・美術・建築等といった作品も参照していきたい。
 (春学期は古代から中世、ルネサンスまでを講述する。)
 (秋学期は近代以降を講述する。)

【授業計画】
春学期
西洋藝術と美学思想の歴史(古代、中世、ルネサンス)
序 「藝術と言葉」について
1 古代の藝術思想
 (1) 古代ギリシアの文藝と音楽
 (2) プラトン『国家』:「詩人追放論」で追放されるべきもの
 (3) プラトン『法律』:藝術に要請されるものとその現代的意義
 (4) アリストテレス『詩学』:模倣論の意義
2 中世の藝術思想
 (1) アウグスティヌスの藝術観と中世の藝術
 (2) グレゴリオ聖歌と教会旋法
 (3) 自由学藝の「音楽」: ボエティウス『音楽教程』
 (4) 多声音楽の発生: オルガヌムとリズム・モード
3 ルネサンスの藝術思想
 (1) フランドルの多声音楽と絵画における「遠近法」の誕生
 (2) イタリア・ルネサンスの藝術観

秋学期
西洋藝術と美学思想の歴史(近現代)
1 「近代」の藝術と美学思想
 (1) 宗教改革/対抗宗教改革と藝術
 (2) オペラの誕生:17世紀藝術の諸相
 (3) バッハとモーツァルト:18世紀藝術の諸相
 (4) 趣味論と「美学(aesthetica)」の誕生
2 カント『判断力批判』
 (1) 構想力と悟性:イマジネーションについて
 (2) 美と崇高:「快」と「不快」の省察
 (3) 趣味判断と共通感覚
3 ヘーゲル『美学講義』と19世紀藝術
 (1) 「藝術の終焉」論:藝術は「終わる」のか?
 (2) 「ロマン的」藝術の展開
4 現代美学の諸問題
 (1) 現代美学の射程:「感性論」の可能性
 (2) まとめ

【評価の方法】
試験は行わずに、平常点(講義中の小論文)で総合的に評価する。

【教科書】
特に指定はせず、講義時に配布する資料を用いる。

【参考文献】
講義中に適宜指示する。

【美学・藝術学】
今道友信 編 『講座美学』全5巻、東京大学出版会、1984
岩城見一 『感性論−エステティックス:開かれた経験の理論のために』昭和堂、2001
エコ、ウンベルト『中世美学史』谷口伊兵衛 訳、而立書房、2001
太田喬夫 編 『芸術学を学ぶ人のために』世界思想社、1999
神林恒道 他編 『芸術学ハンドブック』勁草書房、1989
コリングウッド、R.G.『芸術の原理』近藤重明 訳、勁草書房、1973
コリングウッド、R.G.『芸術哲学概論』三浦修 訳、紀伊國屋書店、1968, 2001
佐々木健一 『美学辞典』東京大学出版会、1995
谷村 晃 他編 『芸術学フォーラム』全8巻、勁草書房、1995
当津武彦 編 『美の変貌』世界思想社、1988
吉岡健二郎 編 『美学を学ぶ人のために』世界思想社、1981

【音楽史・音楽学】
アーペル, W. 『ポリフォニー音楽の記譜法:1450〜1600年』東川清一訳、春秋社、1998
今谷和徳 『ルネサンスの音楽家たち』全2巻、東京書籍、1993, 1996
今道友信 編 『精神と音楽の交響:西洋音楽美学の流れ』音楽之友社、1997
金澤正剛 『キリスト教音楽の歴史:初代教会からJ.S.バッハまで』日本基督教団出版局、2001
金澤正剛 『中世音楽の精神史:グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ』講談社、1998
カルディーヌ, E. 『グレゴリオ聖歌セミオロジー』水嶋良雄訳、1997
カルディーヌ, E. 『グレゴリオ聖歌の歌唱法』水嶋良雄/高橋正道訳、音楽之友社、2002
川端純四郎 『キリスト教音楽の歴史』日本基督教団出版局、1999
グラウト, D. J./パリスカ, C. V. 『新西洋音楽史』全3巻、 戸口幸策/津上英輔/寺西基之訳、音楽之友社、1998, 1998, 2001
ゲオルギアーデス, T. G. 『音楽と言語』木村 敏訳、講談社学術文庫、1994
相良憲昭 『音楽史の中のミサ曲』音楽之友社、1993
高橋正平 『レクィエム・ハンドブック』東京音楽社、1991
辻 壮一 『キリスト教音楽の歴史』日本基督教団出版局、1979
ティンクトリス, J. 『音楽用語定義集』中世ルネサンス音楽史研究会訳、シンフォニア、1979
田村和紀夫 『名曲が語る音楽史:グレゴリオ聖歌からボブ・ディランまで』音楽之友社、2000
中村雄二郎 『精神のフーガ』小学館、2000
ハーパー, J. 『中世キリスト教の典礼と音楽』佐々木 勉/那須輝彦訳、教文館、2000
三ヶ尻 正 『ミサ曲・ラテン語・教会音楽ハンドブック』ショパン、2001
水嶋良雄 『グレゴリオ聖歌』音楽之友社、1966
皆川達夫 『楽譜の歴史』音楽之友社、1985

注: その他個別の問題を扱った文献については、講義中に案内する。