大阪明浄大学観光学部
加藤素明研究室On Line
UPDATED: 11 February, 2004
 TOP講義概要> 藝術と藝能 2004年度

藝術と藝能 2004年度

小倉百人一首の詩学

【科目の系列】 専門(展開)科目
【年次】1年次 【学期】通年 【単位】4単位

【講義の目的】
 演劇・歌劇・伝統藝能等といった上演(パフォーマンス)を行うさまざまな藝術を幅広く概観し、その特質を学ぶ。
 今年度は日本の伝統的な和歌に焦点を当て、「小倉百人一首」を取り上げて、その内容と解釈を原典の検討を通じて学ぶ。その際、各種視聴覚教材を用いて実際の朗詠を聞き、和歌のリズム、発声、発音、間合いなどを体験する。またこれらと併行して、日本の文藝の歴史とこれを支えた国語の歴史を視野に入れつつ、和歌という独特のジャンルを生み出して発展させ、今日の日本文化の礎となっている、古代・中世の精神的・文化的背景について講述する。

【受講に当たっての留意事項】
 この講義では主として古文、文語文を扱うため、若干高度な日本語運用力を必要とする。日本語を母国語とする、しないにかかわらず、かなりの語学レベルの予習と復習が必要になるので、そのつもりで受講されたい。講義では毎回、参加者全員に和歌の暗誦を求め、この練習をもって出席とみなす(教室で座っているだけでは欠席扱いとする)。詳しくは第1回目の講義時に説明する。

【教科書】
(1) 白洲正子 『私の百人一首』 新潮選書、新潮社、1976, 2002
(2) 鈴木日出男、山口慎一、依田 泰 『原色 小倉百人一首』 文英堂、2003
その他、必要に応じて適宜ハンドアウトを使用する。

【参考書】
講義中に適宜紹介する。
(このページ末尾に若干のリストを掲示しておく。ただし、無理に慌てて買う必要はない。興味のあるものを適宜読まれたい。)
4月15日(木)、4月28日(水)講義中に紹介
渡部昇一 『日本語のこころ』 講談社現代新書 372、1974

【成績評価の方法】
単位取得の条件
 下記のように、講義期間中に課す3つの課題、及び学年末試験の成績によって評価する。課題(i)〜(iv)をすべて完了していなければ単位は認定しない。
(i) レポート (4月下旬に指示、5月下旬に提出。)
(ii) 暗誦テスト(1) (7月上旬の講義中に実施。)
(iii) 暗誦テスト(2) (12月上旬の講義中に実施。)
(iv) 学年末試験 (1月下旬に実施。)
 評点は、レポート、2回の暗誦テストを合わせて全体の50%、学年末試験を全体の50%とし、合計で60%以上の得点をもって合格とする。なお、これに出席状況を考慮に入れることもある。


【講義計画】
【第1回】
導入(講義計画、講義の進め方についての説明)
 古くて新しい作品、それが古典である。書かれた時代は古くてもそこには人間の叡智が込められており、現代に生きる我々はここから多くを学ぶことが出来る。第1回目では、古典を学ぶ意義について講述するとともに、この講義の目的・方針について述べる。

【第2〜12回】
「小倉百人一首の詩学」(1)
 「小倉百人一首」の第1番から第50番を毎回5首ずつ取り上げ、教科書(1)を使用してそれぞれの歌意と、そこに見られる精神的・文化的背景を考察する。同時に、詩歌の音とリズムの特質を学んでいく。なお、その際、歌の言葉が持っている力を削がぬよう、いちいち現代語訳をとることは控えたいので、語義・釈義の基本的事項については教科書(2)を逐一参照されたい。毎回受講生全員で和歌の暗誦練習を行う。

【第13回】
まとめと暗誦テスト(1)

【第14〜25回】
「小倉百人一首の詩学」(2)
 上と同様に、「小倉百人一首」の第51番から第100番を取り上げる。

【第26回】
まとめと暗誦テスト(2)


(補足)【参考書リスト】
小倉百人一首の註解等
有吉 保 『百人一首: 全訳注』 講談社学術文庫、1983
安東次男 『百人一首』 新潮文庫、1976
糸井通浩 編 『小倉百人一首を学ぶ人のために』 世界思想社、1998
鈴木日出男 『百人一首』 ちくま文庫、1990
高橋睦郎 『百人一首: 恋する宮廷』 中公新書、2003
田辺聖子 『田辺聖子の小倉百人一首』 上下巻、角川書店、1989、角川文庫(一巻本)、1991
田辺聖子 監修 『古典で遊ぶ日本 カラー総覧 百人一首』 Memoriesシリーズ、学習研究社、2004
松村雄二 『百人一首: 定家とカルタの文学史』 セミナー[原典を読む]6、平凡社、1995

和歌、短歌関連の研究書等
尼ヶ崎 彬 『花鳥の使: 歌の道の詩学 I 』 勁草書房、1983
尼ヶ崎 彬 『縁の美学: 歌の道の詩学 II 』 勁草書房、1995
神野志隆光、芳賀紀雄 他 『和歌史: 万葉から現代短歌まで』 和泉書院、1985
小堀桂一郎 『和歌に見る日本の心』 明成社、2003
寺杣雅人 『五音と七音のリズム: 等時音律説試論』 南総社、2001
林 直道 『百人一首の秘密: 驚異の歌織物』 青木書店、1981
山中桂一 『和歌の詩学』 大修館書店、2003
渡部昇一、K. R. ヤンコフスキー 他 『聖書の言葉・詩歌の言葉: なぜ人々の心に響くのか?』 エンゼル叢書5、PHP研究所、2001