大阪観光大学 観光学部
加藤素明研究室On Line
UPDATED: 5 April, 2007

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西洋美術史 2007年度 (金2前期)

「キリスト教絵画史」

【科目の系列】 広域科目(基礎) 
【年次】2年次 【学期】前期 【単位】2単位

【講義の目的】
ヨーロッパ世界における美術のさまざまなトピックを取り上げ、歴史的名作を中心に紹介しながら、西洋美術の専門的な議論にも立ち入って講述する。  今年度は、主として14世紀から17世紀のキリスト教絵画について講述する。西洋文化の重要な軸であるキリスト教が藝術の世界に及ぼした影響に焦点を当てて考えていく。なお、この講義では、時代順に作品を並べて解説する方法は採らず、聖書に記されたテーマ(画題)の順に、描かれた内容の意味を考究する。



【講義計画】
第1部:旧約聖書の絵画
【第1回】 創世記(1):天地創造、楽園追放
【第2回】 創世記(2):カインとアベル、ノアの方舟、バベルの塔
【第3回】 創世記(3):アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフの物語
【第4回】 出エジプト記(1):モーセ、エジプト脱出
【第5回】 出エジプト記(2):「十戒」、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の特質
【第6回】 出エジプト以後の旧約聖書:歴史書、預言書、諸書、外典
第2部:新約聖書の絵画
【第7回】 イエスの誕生:受胎告知、降誕、顕現
【第8回】 イエスの受洗と公生活:洗礼、弟子の召命、奇跡物語、「新たな掟」
【第9回】 受難(1):エルサレム入城、裏切りの予告、最後の晩餐
【第10回】 受難(2):十字架の道行、磔刑、降架、埋葬
【第11回】 復活:「我に触れるな」、エマオの食事、昇天
【第12回】 聖霊降臨:聖霊と教会、使徒の働き
第3部:聖人たちの絵画
【第13回】 聖人伝:『黄金伝説』と聖人たちの絵画、聖画像論争



【受講に当たっての留意事項】
講義時数3分の1を超えて欠席した者には、期末試験の受験資格を認めないので注意すること。

【教科書】(授業で常時使用する分)
千足伸行 『すぐわかる キリスト教絵画の見かた』 東京美術、2005
その他、必要に応じてハンドアウトを使用する。

【参考書】
講義中に適宜紹介する。

【成績評価の方法】
期末試験の成績によって評価する。



1.授業評価結果の概要(課題)
【評価する点】
○ キリスト教絵画について詳しく説明してくれるので、常に興味を持って授業に集中できる。
○ キリスト教絵画に描かれている物の意味が分かり、新しい見方が出来るようになって良かった。
○ 興味深くて、授業が楽しい。
○ 聖書のことも勉強できて、絵も見られて、全体的に満足している。
○ スライドを使っての授業は分かりやすくてよかった。(多数)
○ 雑学も多くて楽しかった。
○ できれば通年で、もっと勉強したかった。
○ 後期(日本美術史)も履修すればよかった。
【改善すべき点・コメント等】
(1) キリスト教文化を知らなかったので、なじめないところがあった。
(2) もっとたくさんの絵を見たい。

2.上記評価に関する教員の取り組み(授業改善策)
○ 多くの受講生から好意的な評価をいただき、感謝しています。本講義では、絵画の内容と描き方、それにキリスト教文化の背景なども織り交ぜてお話ししましたが、十分に啓発的な講義ができたと分かって安心しています。
【改善点・コメント等について】
(1) 確かに、キリスト教文化をベースにした絵画というものは、日本や東北アジア諸国で生まれ育ち、生活している人たちにとっては、ある意味で「異文化」であるかもしれません。異文化が「なじめない」というのも仕方がないことですが、その「なじめない」文化が、現代の私たちの日々の生活を形作っているというのも事実です。せっかくの機会ですから、そう肩肘張らなくても、「なんか不思議な絵を描いているなぁ」「いったい、なんでこんな絵を描くんだろう?」というぐらいの好奇心を持って眺めることが出来れば、すこしは興味が湧いてくることでしょう。
(2) 「もっとたくさんの絵を見たい」という要望が、「スライド上映の枚数が少なかった」という意味であったとすれば、それはその通りかもしれません。私自身も「もっとたくさんスライドを見せたかったなぁ」と思っているぐらいです。実は、手元にはスライドをたくさん準備しているのですが、これを全部見せていると、とても90分の講義時間内には収まりません。説明に必要な時間と兼ね合わせると、どうしても今ぐらいの上映枚数になってしまいます。

 あるいはもしかすると、「もっとたくさんの絵を」という声は、上記の「もっと勉強したかった」という声と同じ意味なのかもしれません。これが、「美術をもっと深く追究して勉強したい」という意味であるとするならば、たいへん喜ばしいことです。そういう皆さんのために、担当者は専門ゼミ(観光学演習V、同W)の開講を準備しております。残念ながら、従来は人数が足りなくて開講には至らないでいるのですが、現制度で4名以上メンバーが集まれば、それこそ「お腹いっぱい」になるまで美術を勉強できますよ。いかがですか?

(c) Motoaki Kato, 2007-2008