藝術文化論 2008年度 (金2後期)
「演劇作品を見る目」
【科目の系列】 広域科目(展開)
【年次】2年次以上 【学期】後期 【単位】2単位
【講義の目的】
今年度は、アリストテレス以来西欧世界で行われてきた演劇理論を学び、シェイクスピアの喜劇作品を分析しながら、物語の構成方法について考究する。西洋の古典的な演劇理論を概観し、悲劇や喜劇を作る際の法則的側面を学ぶ。その上で「泣く」「笑う」「感動する」等々の諸感情が、実際の作品の中でどのような仕方で観客に生じてくるのかを考察する。
【講義計画】
【第1回】 演劇学入門: 演劇にはどのような理論がありえるのか
【第2〜7回】 シェイクスピア『十二夜 Twelfth Night』(全6回)
嵐で生き別れになった双子の兄妹。妹は生きるために男装して若き公爵に侍従として仕えるが…。
【第8〜13回】 シェイクスピア『真夏の夜の夢 A Midsummer Night’s Dream』(全6回)
妖精たちと人間たちが織りなす、複雑にもつれた恋愛模様。
毎回の講義では、
@ 上記の作品2点を、映像メディア(舞台上演・映画作品)を用いて見ながら、内容とプロット(筋)を検討する。
A アリストテレス『詩学』を教科書にして、西欧における伝統的な悲劇・喜劇の理論について学ぶ。
【受講に当たっての留意事項】
講義時数3分の1を超えて欠席した者には、期末試験の受験資格を認めないので注意すること。
本講義は広域科目であるが、展開科目として、演劇についての理論的な議論にまで踏み込んで講述する。そのため、講義の中には高度な内容も含まれるので、あらかじめ「観光藝術学」を履修して基礎的な知識を得ておくことが望ましい。また、講義にはきちんと出席し、教科書・参考書を用いてよく復習をしておくように心がけて欲しい。
【教科書】(授業で常時使用する分)
アリストテレース、ホラーティウス 『詩学・詩論』 松本仁助・岡道男訳、岩波文庫、1997
【参考書】
シェイクスピア 『十二夜』 松岡和子訳、ちくま文庫、1998
シェイクスピア 『夏の夜の夢・間違いの喜劇』 松岡和子訳、ちくま文庫、1997
その他、講義中に適宜紹介する。
【成績評価の方法】
期末試験の成績によって評価する。
1.授業評価結果の概要(課題)
【評価する点】
○ シェイクスピアの劇をアリストテレスの詩学と照らし合わせながら分析していくので、とても面白い。
○ シェイクスピアの名前は知っていたが作品に触れたことがなかったので、とても勉強になった。
○ 『詩学』を勉強した後で作品を鑑賞するという流れだったので、理解しやすかった。毎回出席するよう心がけた。
○ 劇はどのように構成されているかを理解した上で、実際に劇を見てみるという授業の進め方は面白い。
○ 『十二夜』のような喜劇を見て、自分で喜劇を作ってみたくなった。
○ 劇を作るプロセスを学ぶという非常に論理的な内容で、今の自分に最も欲しかった講義である。これぞ大学の講義というものだ。
○ すごく楽しい講義だ。ヴィデオの時間を減らしてでも、もっと話を聞きたかった。
【改善すべき点・コメント等】
(特になし)
2.上記評価に関する教員の取り組み(授業改善策)
○ 受講生の皆さんから、多くの好意的な評価をいただき、感謝しています。今学期はもし自分に専門ゼミ生がいたらという前提で、敢えて少し難しい内容を講義しました。少人数でしたが、皆よく勉強してくれて良かったと思います。
○ 最後の一件は改善点ということではなく、私の講義へのお誉めの言葉として、有り難く頂戴します。いつもながらヴィデオの上映時間の配分は頭を悩ませるところです。私も、本音ではもっと話をしたかったのですが、今学期は古代の演劇理論と近代劇の共通点と差異とを見極めるというのが講義の目的の一つでしたので、実作を知るためのヴィデオ上映は避けて通れません。
○ もっとも、ヴィデオは図書館のヴィデオコーナーで自習せよと言って放置しても良いのなら話は簡単です。が、学生の実情を考えると、そうもいきませんね。ギリシア悲劇の実例としては、ソポクレス「オイディプス王」を観光藝術学講義(1年次配当)で扱っていますので、学生は既習であるという前提で、本講義ではもっぱらシェイクスピア劇に絞って紹介し、古代劇と近代劇の比較という観点をまじえてお話ししました。そのあたりの事情を受講生の皆さんはよく汲み取って、講義に付いてきてくれました。改めて記して感謝いたします。
(c) Motoaki Kato, 2008
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